ソルダムのケースを買う

8/25の出来事を振り返ってまとめました。
以前ソルダムの静穏ケースの新モデルの記事を見て以来、ずっと欲しかったアルミとスチールのハイブリッドケースを8/2にソルダムの通信販売で購入しました。ALCADIA ZR3000というやつです。オールアルミは武人の蛮用に耐えないと思われるのでパスしてハイブリッド一本槍です。最小限の構成にしてファン類をオプションにして安くしているやつにオプションのファンを付けました。
購入後にググってみるとソルダムの評判が非常によくない事がわかりました。やべーと思いましたがとりあえず静観します。受注確認のメール以来何の音沙汰もないため、およそ2週間後(お盆直前)にごらぁメールで問い合わせてみると「2週間後(25日)に発送する。遅れて悪い。キャンセルするならこれにリプライくれ」という内容です。海外通販をやっている気分です。問い合わせの時期がソルダムの盆休みの直前だったので、おそらくキャンセルしても盆開け受理でしょう。ならば我慢します。
予定日である8/25の夜の9時に発送したというメールが来ました。時刻的に今日は駄目だろうと思っていただけに驚きました。土曜の夜はいろいろとPCを使って遊んだため気がついたら夜明けでした。どうせ荷物は午後に到着だろうから一眠りするべと寝込みます (実はこの日はアマゾンの荷物も届く予定で、前例では土曜発送の荷物は日曜の午後3時に到着だったので午前中は寝ていられるはずです)。
寝入って3時間でいきなり呼び鈴に起こされます。ソルダムから巨大な段ボールが到着しました。予想外のサイズと時刻です。夜間に発送したのではなく、発送作業後に夜間にまとめてメールを処理しただけのようです。朝寝の3時間睡眠ですがもう寝ていられません。
梱包は想像よりもまともでした。はめ込み式でテープで固定されていた上部のフロントパネルは外れていましたが中で暴れて傷だらけということもありません。フレームはスチールで外板はアルミのハイブリッドですが、アルミの軽さはフレームのスチールの重さで相殺されているようで見かけのサイズの割に軽いかもと思う程度です。箱から出して部屋に運びます。フレームが歪んでいるとか、中が傷だらけとか、削り屑だらけという噂はあってドキドキしていたのですが非常にまともでした。見つけた難点は外板の内側に皮脂が付いていたことと、上部と下部に分かれているフロントパネルのはめあわせが少々悪い事と、マザーボードを固定する底板(スチール)にグギギ〜ときつい傷がついていたことと、内蓋の起毛シートの表面が怪しく汚れていることくらいでしょうか。
オプションのファンを取りつけるために分解を開始します。
サイドパネルはローレットスクリュー4個で止められており、多少厚みはあってベコベコではないのですが軽いアルミ板なので頼りない感じです。左右共に外します。
内蓋は分厚く重たい鉄板に静穏兼埃採り用の起毛シートが張ってあり、ローレットスクリュー4個で止められています。これは向かって左側だけ外します。
丈の低いローレットスクリューは非常に回し辛く、頭にねじ穴がないため、あくまで指で回すしかありません。デザイン優先の弊害ですがこれはこれでスタイリッシュです。丈の高いものはカバーを背面から止める部分に使用されています。トップカバーの固定と内蓋の固定の半分がこれです。
背面の排気サイレンサーを外します。これは普通のねじ5個で止まっています。サイレンサーはアルミ板の折り曲げ加工で、厚みはあるのですが軽いため頼りない感じです。
トップカバーを外します。アルミ板をコの字型に間げたもので、背面のローレットスクリュー2個で固定されています。これも頼りない感じです。
オプションのケースファンを取りつけます。12cmと9cmのファンを取り付けます。フロント上部のねじ止めの蓋を外して12cmファンを固定します。背面中央のねじ止めの蓋を外して9cmファンを固定します。上部空間と下部空間の間に付けるファンを固定します。PCIスロットの排気ダクトファンは後で取りつけます。
旧ケースをばらしてパーツの移植を始めます。電源ユニットを移植します。続いてマザーボードを移植します。マザーボードの固定ネジ穴がずれているとの評判があるのですが、ぴたっと納まりました。つーか、台湾製のバリだらけの上に5インチベイの内蓋がスポット溶接されていて、ドライバとハンマーで叩き外す必要のあるものが最初のケースだった世代の人間としては値段以外に特に不満もありません。件のケースは購入したお店でバリで手を切るな、やすりをかけると鉄粉でショートするから安易にやるなとアドバイスされたりしましたw
マザーボードを固定して5インチベイにSATAのDVDマルチドライブを固定します。このベイは左右が数ミリ広いので固定がちょっと面倒でした。最大8個収容できる3.5インチのシャドウベイにHDDを3個取りつけます。このベイは丸ごと外せますが上は普通のねじで下はローレットスクリューで固定されており半端です。上は外向きのネジなので内蓋との間が足りずにローレットを使えないのです。ドライブ8個分の空間に3個なので十分に間隔を空けて取り付けます。ドライブベイが吸気ファンの真後ろというのは安心できますね。ドライブの腹にファンを抱かせる必要はありません。全ドライブを結線します。5インチベイの最上段は手持ちのストレートコネクタのSATAケーブルがぎりぎりなので、1mのL字コネクタのケーブルを使います。
ビデオカード、音源カード、SATAのI/Fカード(ラトックの外付けドライブ用)を取りつけて、デバイス類全てを結線したところで気づきました。ファンの電源コネクタが足りない気がします。前面吸気ファン×2、ドライブベイの背後に整流ファン×1、上部と下部を仕切る位置に整流ファン×1、背面の排気ファン×2のコネクタです。全てドライブ用コネクタとファン用のコネクタの二股構成なのでドライブ用のでかい電源コネクタにつないで行きますが足りません。パーツ箱をあさって、ドライブ用コネクタからファン用コネクタを4分岐させるものを1つ発見して、どうにか間に合わせます。実は拡張カードスロット部分の上部を覆う排気ダクト(12cm×2)もあるので、コネクタの個数はまさにぎりぎりでした。とりあえず全部を結線して排気ダクトも固定して、いきなり電源ONです。ケースのコネクタとマザーボードの接続は珍しく一発で成功してLEDも光るしスピーカーも電源も問題なしです。リセットが効きませんがどうせ使わないのでよしとしますw
外殻だけ取り替えたのですから当然ではありますが、そのまま一気に立ち上がりました。ぐるりと一通りチェックして、元から付いていたフロントの吸気ファンが回っていないことに気づきました。いったん終了して電源コネクタをチェックして再度電源ONです。やはり回っていません。指でファンを回してみますが妙に固いです。電源を落としてシャドウドライブベイを外してファンを取り外します。妙に回転が悪いと思ったら、防振用のゴムパッキンがはみ出してプロペラに接触していました。この取りつけミスはメーカーのものです。放置したらモーターが焼けるところでした。この部分を修正して取り付け直して問題は全て解決しました。
音の具合をチェックするために蓋を取りつけてまわります。トップカバー、右側サイドカバー、左側内蓋、左側サイドカバー、フロントパネルの上下、背面のサイレンサーと取りつけました。左側の内蓋とサイドカバーの取りつけが困難をきわめましたが、これはPCIスロットの上部にかぶせる排気ダクトを上側(向かって左側、取りつけ時は手前側)一杯に取りつけるとネジ穴が干渉するためでした。中ほどに固定して問題は回避しました。どうでもいい話ですが、この12cmファンを2基つけた排気ダクトから出てくる風が妙に少ないのが不満です。中のファンを本物のダクトファンに付け替えちゃろうかと考えています。このダクトは曲者で固定ネジが背面サイレンサーの内側なので、サイレンサーを外してから排気ダクトを外さなければ、拡張カードスロットとオンボードのコネクタ類にアクセスできないのです。もちろんこの工程の間にサイドパネルと内蓋を外す作業が入ります。これが結構面倒です。涼しくなって来たら排気ダクトは外そうかと思っています。
無事に組み上がりました。問題もほとんどなく約2時間の作業でした。そして、ここで初めてソルダム防振と静穏にこだわっている理由が解りました。アルミの一枚板は剛性の問題なのか非常によく音と振動が響くのです。ハードディスクのヘッドが動く音がズゴゴゴと響きます。スチールフレームにスチールパネルのケースを使い続けていたので、ヘッドが動く音がわかるのは新鮮ですw ドライブをむき身で動かしてもこの音は聞こえません。アルミの外板に響いているから聞こえるのですw また、アルミの板は中の音をストレートに外に伝えてくれます。リテールのCPUファンがぶんまわる時に出す甲高い音がケースの外までに響き渡ります。内蓋自体の防音はしっかりしているのですが、トップカバーがアルミの1枚板をコの字型に曲げたものなので、ここから筒抜けです。外板が反響するのは各部のネジをしっかりと止めることでいくらか軽減できました。ここで問題なのが丈の低いローレットスクリューです。力が入れ辛いので指が非常に痛くなりました。ケースの上にラトックのeSATA 5ベイのケースをのせて重量で外板の反響を押さえこみます。
ファンは12cmが7個と9cmが1個の割にその音はほぼ気になりません (先代のケースがうるさすぎただけですが)。CPUファンをなんとかすれば、なんとかなります。マザーボードの温度は室温にもよりますが室温28度で38度程度です。HDDの温度も33度(Maxtor)から37度(Seagate)程度で室温34度の時の最高でも41度です。温度はかなり改善されました。
昼過ぎに出かけて、長さを合わせたSTATケーブルとファンコネクタ増設パーツを買い揃えました。STATケーブルは高いですね。ファンの電源ケーブルが縦横に走り回っている状態を解消して、ケース内部の上下を分割してケーブルの取り回しを妨害している整流ファンを外してドライブベイ後部の整流ファンの増設にまわします。吸気ファンの気流がドライブベイで乱された後、ファン1つで整流し直されるのはいいのですがビデオカード直撃の気流しかできないので、この気流を太くします。ケーブルタイでケーブルを固定してケース内部の整流は完了です。5インチベイにラトックのリムーバブルケース用のベイを取りつけます。リムーバブルケースに入れたHDDを守るために、非常に熱を持つSATAのDVDマルチドライブをケース最下段の飛び地にある5インチベイに移動させます。これで物理的な対策は完了しました。
これでかなり静かなPCが出来上がりました。夜中に勝手にサスペンドから目覚めたことにしばらく気づかなかった事もあります。液晶のバックライトのまぶしさで目が覚めましたけどね。このケースはフロントにIEEE1394が1つとUSBが2つ出ています。1394はデバイスを持っていませんがUSBはiPod Shuffleの旧モデルを突っ込むのに便利で重宝しています。