鉄道工場

小さい子供のころ、帰省で通過する小倉駅の付近に蒸気機関車とかいろいろ留まっている一角がありました。今の知識なら日本国有鉄道小倉工場だったのだとわかりますが、当時はとにかく蒸気関係がいろいろあって賑やかなところで、大人になったら見に行こうと思っていました。で、ずっと忘れていてかなり前に思い出し、いろいろ調べてJRの小倉車両所になっていることがわかりました。もちろん当時いろいろあった整備待ちや解体待ちの車両は跡形もありません。うーん、当時は蒸気が滅びつつある時期でした。時代が悪かった。跨線橋から下を通過する蒸気機関車の煙突を覗いたこともあります。

で、現在わが自宅のPC前が工場になっており、カプラー交換の工事が急ピッチで進められています。交換用のナックルカプラーを別途発注して、思いっきり小さいパーツを2つ組み合わせて1つのカプラーを組み立てます。1袋に20個分のパーツが入っているので前後の10両分です。台車が黒の車両と灰色の車両があるので2種類です。

瞬間気を失っている間に一気に増殖した車両を分解してカプラーを交換します。2軸貨車はカプラーボックスを外してカプラーを交換して取り付けなおすだけです。ボックスはツメで固定されているので、精密作業用ピンセットセットの先端が横に広くて角が丸いやつを使ってテコで取り外し、定位置にあてがって片方のツメを入れた後反対側をコのピンセットの先端で押し込んで付け直します。

台車はプラのピン止めをこの幅広ピンセット先端を差し込んでテコでバコッと外したり、ビスを回して外したりと2種類あります。カプラーを収めているところも広かったり狭かったりと万別です。アーノルドカプラーをひねりながら外し、カプラーを前向きで半固定にするために後ろからテンションをかけている銅のコイルバネをピンセットでつまみ出します。一部のモデルは油断するとバネが飛んで行ったりします。

ナックルカプラーはバネなしで緩く固定しますが、このカプラーを押し込むのが一苦労です。最初の作業は結構緩く押し込めるやつだったので油断したのですが、通常は幅が少し狭くて親指の爪で一気に押し込む必要があったりします。この最初の1つを処理してからコツは一気に押し込む勇気であることをつかむまでに数時間かかったりしました。頑張っていたら爪がはがれる方向に軽く損傷してしまいました。両親指の先端が痛いです。

機関車の整備がさらに大変でした。後付けの部品を天井に開いている穴に押し込んだり、ハンドレールを車体の穴に押し込んだり、カプラーを交換したり、ナンバープレートを取り付けたりです。丸い部品をピンセットでつまむと力を入れたら飛んで行ったりして、これ人間技じゃダメだろうと何度も諦めそうになりながら頑張りました。カプラー抑えの銅の板バネがゆるゆるでどうやっても組みなおせず、最初からついていた曲がり癖をコツコツと修正してテンションを取り戻し、フロントスカートの穴から突っ込んだナックルカプラーの穴と下から押し込むスノープロウの軸を合わせてはめ合わせるという荒業をこなしました。これ手がもう1つほしくなり、仕方なく膝の間で挟んで作業したら板バネやカプラーがぽろっと落ちて大捜索です。

DE10の川崎のプレートが台車の隙間に入って二度と出てこなかったのは痛かった。EF64のナンバープレートが唯一ゆるゆるで接着剤必須だったのも痛かった。EF210のハンドレールもピンセットでつまみ損なって飛んで行かれたし。

専用パーツの買いなおしが必要です。EF64はよく見るとフロントとリアのスカートのスノープロウの間の部分が切断寸前に変形するなどの被害も出ています。もう電気機関車のカプラーを交換するのはやりたくないです。とはいってもけん引できなくなるのでやりますけどね。

大規模な工事を終えてから車両と一緒に増殖したカタログを読んでいると、電気機関車の屋根に別パーツを取り付ける方法が載っていました。両面テープを使って指で取り付けるのかぁ。手遅れだけどこれは良さそう。ピンセットでもうまく取り付ける方法は開拓しましたけどね。細いピンセットで根っこを抑えて(丸いところを抓むと屋根にあたって力加減が変わった瞬間に飛んでいくので大捜索)穴に合わせ、指で上から押さえつけると楽でした。EF210で猛烈に苦戦した挙句に行き着いて、EF64はらくらく取り付けできました。ハンドレールもランナーの一部ごと切り離してピンセットでそこをつまむのかぁ。

飛んで行ったパーツを探すために自転車のヘッドライトやブラックライトを動員しましたが、ブラックライトで照らすとカーペットが汚たねー。飛び散ったパーツを拾ったらびしっと掃除しようと思いました。カーペットクリーナーを買わなければ。

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NIKON Z6, f/8, ISO-2800, 60mmのマクロレンズで撮影

側面のナンバープレートにピントを合わせて f/10でハイライト重点測光です。なので黒い被写体でも露出オーバーになりませんでした。ISO-25600ですが気になりませんね。D51の352号です。蒸気機関車は後付けパーツがほぼないのでナンバープレートの取り付けとテンダーのカプラー交換くらいで済むのがうれしいところです。