城山峠の話

昔どこかで鹿児島本線の小倉博多間に難所の峠があったというのを見たことがあるのですが、ちょっと探した程度ではわかりませんでした。あそこに山があったという記憶すらなかったり。

で、名駅のゲートタワーに三省堂書店ができたときに西日本新聞社の九州鉄道の記憶という本を見つけました。ⅠからⅤまでそれぞれ3500円程度でした。発作的にあるだけ購入して、栄の大型書店を回って5冊全部を揃えました。

当時は買ったことに満足してあまり詳しく読んでいなかったのですが、Ⅲの海老津駅のところにこの峠のことが書いてありました。城山峠(じょうやまとうげ)という23‰の急こう配で、国有化されたときに城山トンネルになったとか。そういえばあそこは単線トンネル2本で山をくぐっていたなぁと記憶がよみがえりました。電化時に複線トンネルに余地がなくて架線を追加できなかったので、中央に軌道を移動させて上方の空間を確保したそうです。で、トンネルをもう一本別に掘ったと。

あの線は半年ほど通学で使用していたのです。当時は折尾駅に駅弁売りのおじさんがいて「えんとーえんとー」とか叫んでいたのを思い出します。記憶していた音を脳内再生すると「べんとー、べんとー、かしわめし、べんとー」というフレーズを繰り返していたのだと理解できますが、このおじさん何を聞き取れないことを叫んでいるのだろう。怖い。と思っていました。じつはかしわめし弁当は好物で戸畑に帰省したときは、とりあえず「かしわめし弁当」を買っています。

峠の名前がわかればググるだけなのですが場所以外はあまり情報は残っていませんね。鉄道は明治23年開通で明治42年にトンネル化して旧線は廃止というわけで使用期間は短かったようです。蒸気機関車を重連にして通過していたのかぁ。当時の周辺駅の配線図とか情報が欲しいなぁ。最寄り駅(海老津駅はトンネル用地買収協力の見返りに作った駅なのでこれを除く)に補機用のターンテーブルとかなかったのかしら。